ランニングのトレーニングに必要なことは何だろうか。
逆に、ランニングのトレーニングに不要なことって、何だろうか。
あくまで僕の意見ではあるけど
「○○不要論」は、不要だと思う。
例えば筋力トレーニング。
「筋力トレーニングは不要だ!」という声は、たくさん聞く。
もちろん、そういうふうに言う人が居るということは、筋力トレーニング無しで成功したか、筋力トレーニングで失敗した等、その人にとって「筋力トレーニング不要論」は、正しかったのだろう。
しかし、それをあたかも万人に共通の理論のように「筋力トレーニング不要!」と叫ぶのは、果たして正しいのだろうか?
筋力トレーニング不要論の主旨は、ざっくりこんな感じだと思う。
- 筋トレで身に付けた筋肉は、重りとなるのでランニングに不向きである。
- マラソンでは体重が軽いほうが有利。走るための最低限の筋力は、走りながら付けるべき。
- 筋トレをすることよりも、力みのないフォームでランニングエコノミーを向上させることのほうが重要。
まぁ、色々あるとは思いますが。
個人的にはこれらの理由は、そもそも論理破綻しているような気がするのですが、それは置いておいて!
筋トレが必要だった筆者が考える「筋トレ不要論」の落とし穴
筋トレ不要論によくある論法の一つ
「走るための筋力は、走ることで鍛えられる」
はい、残念ながらこれが落とし穴です。
ハッキリ言いますね。
走るための筋力は、走るだけでは身に付きません。
もう少し突っ込んだことを言うと、
走るだけで身に付く人はいますが、
走るだけで身に付かない人が、
走るだけで身に付く人のマネをしても、何の意味もないのです。
何が落とし穴なのか?
ちょっと表現が難しいのですが、人間が走るうえで最も重要な筋肉の一つに、腸腰筋があります。体幹のインナーマッスルですね。
頑張って練習しているのにスピードが出せない人は、この「腸腰筋」の筋力が弱いか、上手く使えていない人が多いと思います(少なくとも筆者はそうでした)。
具体的な理論は他書に譲りますが、
往々にして、うまくスピードが出せない人は、そもそも致命的に弱い筋肉(特にインナーマッスルのような、幼少期の生活で使う機会に恵まれないと鍛えられない筋肉)の使い方を知りません。
そんな人に「必要な筋力は走れば鍛えられる」というのは何とも可哀想なアドバイスです。
走れば走るほど、ロスの多い動きが拡大していくだけです。
もちろん、筋トレをせずに速くなる方法はあるかもしれません。
筋トレの代わりに、入念にドリル等の動きづくりをする手段もあるでしょう。
しかし、そもそも筋力の使い方を身に付けずに大人になった人間は、基本的な筋力トレーニングをして、”普通の状態”を作り上げてから、トレーニングに取り組むのが圧倒的に近道です。
(そして、筋トレ不要論を叫ぶ人のほとんどは、そういった基礎のトレーニングをせずとも、物心ついた頃から速く走れていた人が多いように感じるのは、筆者だけではないはず。意外にも多くの人が『致命的に使えていない筋肉』を抱えていることを、理解していないように思う。)
筋力は重りなのか?
そんなことないです(アッサリ)
加圧トレーニング(筋トレ)をして筋肉量と筋力を増やし
適切な食事と練習、休養をして減量できればパフォーマンスアップは絶対できる!
と、これで断言できるようになりました。
「筋トレをすると筋力の重りが付く」とか言っている人は、そもそも筋力トレーニングの大原則を分かっていません。
ボディービルダーが短距離走で勝てないように、どんなスポーツでも、筋力をつけた後には「競技の動作への適用」というステップが必要です。
つまり、全体的な筋力を強化したあとに、競技に特化した筋力だけを残し、洗練していく作業と言い換えることもできます(もちろん、動作適用という意味で神経的な強化も含まれますが)。
この考え方を理解できている人なら、筋肉は重りだ!なんて言わないはず。
付け過ぎた「余計な」筋肉は、競技動作に特化していく段階で落ちていくはずですから。
(「余計な」筋肉がそんなに簡単に付くのか?という話はここでは置いておきます・・筋トレってそんなに簡単じゃないし)
そもそも
世の中には、マラソンに取り組むにあたって、筋トレが不要だった人(≒筋トレが害だった人)と、筋トレが必要だった人の、二種類がいます。
現実に、そういった二つの人種が存在しているんですから、「マラソンに筋トレは(万人に)必要ない!」という議論そのものが的外れなわけです。
「LSDは必要か?」
「つま先着地?かかと着地?」
トレーニングや走り方は人それぞれなので
「すべての人間にベストな選択はどちら?」
という思考そのものが的外れ— Citymarathon.jp (@runnerz84) 2016年3月20日
「○○不要論」という言葉に惑わされることなく、
自分に合ったトレーニングを考えて、実践したいものです。
おしまい。