もう、日本の男子マラソンでメダルを獲るなんて、夢のまた夢!相当運がよくないと無理なんだから、運がよくなるように、考え方を変えて東京五輪に向かおうよ!
っていうことを、理路整然と(?)語ることを目的にした記事です。
もちろん日本のトップ選手たちのことは、同じランナーとしても人間としても心から尊敬していますが、そういうのはいったん抜きで、冷徹に斬ります。
ぜひ、ご一読下さい。
リオ五輪の「3位以内」
Sports > Rio Olympics 2016: USA’s Galen Rupp takes bronze in seco >> https://t.co/cqBuxPchxF #sport pic.twitter.com/EzaM9GEV3z
— Sports NewsBk (@SportsNewsBk) 2016年8月21日
25kmから30kmを15分ちょうどで走った先頭集団から抜け出した3人が、その後の5kmを14分20秒で駆け抜け、結局その3人がメダルを獲得する結果となりました。
今、日本人でこの集団に残れる人はいるでしょうか?
仮に居たとして、3位になったゲーレン・ラップに競り勝つ強さを持っているでしょうか?(勝てないと4位ってことになりますからね)
そう考えれば、五輪マラソンでメダルを獲得することが、いかに難しいことなのかが、良く分かると思います。
ベルリンマラソンの「3位以内」
”五輪を走らなかった選手達”で争われた本日のベルリンマラソンでは、先頭集団の10kmの通過が29分ちょうど、20kmの通過が58分ちょうどでした。
20kmの時点で、集団の人数は10人。そのうち8人がケニア人ですので、もしこのレースが五輪だったら・・と仮定すると、少なくとも5人は先頭集団に残っていると考えて良いでしょう。
集団のハーフ通過が61分11秒・・これだけを見ても、もう「日本人がマラソンで世界の3位に入る!」なんていうのが無理ゲーであることは明白です。
BREAKING..
Ethiopian Bekele storms to victory in Berlin marathon beating Kenyan world record holder Wilson Kipsang…https://t.co/2KKy8zVFxq pic.twitter.com/5ISJskBhE2— Game Yetu (@GameYetu) 2016年9月25日
この歴然とした差を4年で埋める?
可能性を捨てたくない陸連の先生方のお気持ちは分かりますが、日本が「強い」と言われていた時代とは条件が違いすぎるので、単純な強化は無理でしょう。
個人的には、もういっそのこと「マラソン代表」っていうのは、
陸連の難解複雑な選考を突破した人に、リオのようなお祭り気分で走らせてあげる、ご褒美的な存在で良いんじゃないかとさえ、思っていますので。
でも、ここは諦めずに考えることにしましょう。
水泳も柔道もレスリングもできない国でも、マラソンならできる。
「世界の3位以内」に入るということは、これらの集団の中で勝たなければいけないのですが、
今の日本人の実力では、その集団に残ることすら無理だと考えるのが、普通の感覚でしょう。
そもそも、身体能力に優れていると言われる(※)アフリカ勢が実践できるスポーツには、限りがあります。
言ってはいけないことかもしれませんが、日本勢のメダルラッシュに沸いた水泳も、柔道も、レスリングも、身体能力に優れたアフリカ勢はほとんど参加していません。
比較的参入障壁が低く、放映時間が長くてスポンサーも付きやすいマラソンは、職業スポーツに向いています。マラソン競技に多くの「金の卵」たちが集まってくるのも、ごく自然なことだと思います。
※アフリカ勢の身体能力優位説には賛否両論ありますが、ほぼすべてのランナーが線の細い「ランナー体型」をしていることからも、生まれながらに何らかの優位性を持っていることは、状況証拠的には明らかと考えて良いと思っています。あくまで個人的な見解ですが、「人類みな同じ」と考えるには、ちょっと無理があるような気がします。
もう、日本はマラソン強国だという幻想を捨てよう!
今回のリオ五輪男子マラソンでは、残念ながら「非アフリカ8位」に沈んでしまった佐々木選手でしたが、
日本の男子マラソンが東京五輪で本当にメダル獲得を目指すなら、
- 非アフリカで1位になること
- アフリカ勢が総崩れするレース
の二つを満たす作戦を、4年かけて仕掛けていかなくてはいけません。
その具体的な作戦については、面白い案が出ているブログがありますので、そちらに譲りますが、
けっこう口が悪いので、陸上ファンの方は気を悪くするかもしれませんが、一年前の記事にもかかわらず、かなり的を射ています。以下、重要部分抜粋。
まず日本代表は暑さに強い面々を選考します。どうせ世界の舞台ではハシにも棒にもかからない程度のベスト記録など無視して、灼熱地獄でどれだけ頑張れるかのみをもってメンバーを選びます。気温35度超、湿度70%超の条件で2時間10分程度を安定して出せることが目安となるでしょう。選考レースではスペシャルドリンクもホットで提供し、徹底的に暑さに強いメンバーを絞り込むのです。五輪本番当日は案外涼しかったりするかもしれませんが、それは捨てます。好条件ではどのみち勝てないので、灼熱地獄一本に賭けた大勝負でいきましょう。
本当に、この記事が指摘するように、アフリカ勢が総崩れするようなレースで、日本人がその実力を十二分に発揮するような、ラッキーなシチュエーションでもない限り、メダル獲得は無理だと思っています。
記事にあるような室外機作戦とか、本当にアリかもよ!?
日本のマラソンは、世界で勝てなくて当然。
むしろ、陸上競技の中でも世界との差が歴然としている種目であり、扱いとしては跳躍系種目と同じくらいの「たまに入賞できる(人が居る)」レベルだと思っています。
『そのことを理解して、一から組み立てていこうよ・・・』
それは、多くの人が、薄々感じていることだと思います。