世界陸上2015代表選考結果に対して思うことをそのまま書きます。

なんか、まとまらないけど、思ったこと書きます。長いです。

女子マラソンの選考が、また色々議論を起してますが、僕も横浜で勝った田中選手が選ばれるべきだと思っている一人です。

個人的な意見ですが、陸連の選考の何に問題があるのかは、ハッキリしていると思います。

オジサンの主観とか、武冨さんのひいきとか、選考会の数とか条件の違いとか、そういうことではありません。もちろん重要ですが、そんなことは枝葉です。

すべては一つ。

『マラソン強化部が、やるべき仕事を間違えている。』

世界のマラソンがスピード化していて、身体能力に優れた(と言われている)アフリカ人選手の独壇場です。

生きるため=貧しさから抜け出すために、若者の何割という人数がマラソン選手を目指し、しのぎを削り、多数の敗者を生む勝負中から選ばれし一握りの選手達が、今のアフリカ人選手達=世界のマラソンです。

彼らのモチベーションの一つには、「敗者の現実を見ている」というものがあるでしょう。マラソンで、負けてスポンサーが離れれば、貧しい生活に逆戻り・・退路が絶たれているから、頑張るしかないのです。

そんな中、学校の部活動で頭角を表し、生きることには困らないけど「目標」とか「夢」というモチベーションを持って立ち向かう日本人・・という図式。レースに負けることの重みが、違いすぎます。

それだけ考えても、「世界に勝て」ということ自体が、そもそも厳しい要求なわけです。

そんな、あまりにも条件が違う中で、日本人はどうすれば世界に勝てるのか?
マラソンの選考基準って、その命題そのものでしょう。

そんな、重要すぎる命題なのに、「世界と戦える選手」というありきたりな言葉だけ準備して、解釈も話さぬまま選手を走らせて、並んだ結果を見て選んでいるのが、陸連”強化部”です。

日本人選手が「目指すべき選手像」の構築そのものを、現場に丸投げしているのが、陸連”強化部”の現実です。

順番が逆だろう・・。

日本人が世界で戦うには、どうすれば良いのか?もっと言えば、選考会でどう走ればよいのか?を示してあげるべきだろう。

ましてや、よーいドンしたメンバーのなかで一番にゴールした(しかもケニア人選手に競り勝って)のに、選ばれないならなおさら。あのレースで、どうやって勝てば、選んでくれたんだろう。その説明義務を放棄して、何が”強化部”なんだろう。

横浜国際で、田中選手は5km過ぎのペースメーカーの「暴走」に付いていかなかった。その田中が優勝したのだから、その判断は「正しかった」と言われるべきだろう。でも、今回陸連強化部は、それを「間違いだった」と一刀両断してしまった。

選手は勝つために努力をした。基本的に選考会はワンチャンス。ワンチャンスをモノにするために冷静になり、「付いていかない」という勇気ある決断をした(なかなかできることではない)。

それを陸連は、後出しで一刀両断・・そんなことは、先に言うべきだろう。「世界と戦うには、先頭から離れてはいけない」と。

選手や監督個人のアイディアやノウハウで、世界に勝てる時代は、もう終わっていると思います。このままでは、日本のマラソンが世界に勝てる日は来ないでしょう。

テニスの錦織選手や、トラックの大迫選手のように、海外のプログラムに乗り、勝てる選手が出てくるかもしれませんが、それは国籍が日本人というだけであって、「日本のスポーツが世界に勝った」とは違う。

本当に、がっかりです。

酒井強化副委員長は会見で「我々は現場のプロだ」と言った。戦う選手像(=ゴール地点)を描くこともできないで、何がプロなんだろう。。

田中選手のことは、第一生命に入ってからしか知りませんが、どんなレースでも「絶対に勝ってやる!」という強い気持ちを持って走ることのできる、数少ない選手です。

私に一番足りないものを持っている選手として、強くあこがれている存在です。めげずに頑張ってほしい・・というのは無責任かもしれませんが、これからも応援し続けたいと思います。

本当に、がっかりです。

今回の、サラリーマン的な選考が、一人の選手を潰す結果にならないことだけを、切に祈ります。

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